高橋芳文の看板を観光資源として活用するまちおこしの仕組みプロデュース

全国の行政(都道府県、市区町村)、商工会議所、商工会連合会、商店街連合会、商店街組織、まちづくり協議会、業界団体など、地域・団体でまちおこしに取り組む方へ

知っていましたか?

今は、看板を観光資源として地域活性化・まちおこしに活用できる時代なのです!

看板を活用した地域活性化・まちおこしプロデュースメニュー
  1. 「看板を観光資源として活用するまちおこし」をテーマにした高橋芳文の講演…1時間10万円~(税別)時間によって応相談
  2. 看板を活用したまちおこしの仕組みプロデュース(作戦会議、ワークショップファシリテーション、イベント実施サポート、その他具体的アドバイス等)
※金額は依頼主のご予算に合わせて柔軟に対応いたします。

看板は、火や水と同じで、使い方次第。
景観を壊すものにもなるし、景観を活かすものにもなります。

ボクの好きな温泉地・黒川温泉では、看板をコントロールすることから、日本のふるさとをコンセプトにした景観づくりが始まりました。

鳴かず飛ばずだった黒川温泉が地域全体での活性化に取り組み始めたのは、昭和61年です。
昭和62年には、当時乱立していたそれぞれの旅館等の野立て看板の撤去に着手しました。それぞれの旅館が自分のところへお客様を呼び込むことに必死で、看板で集客を競い合っていたのですね。

黒川温泉のまちづくりのリーダーであり、当地の温泉宿「新明館」の経営者だった後藤哲也さん曰く
「旅館に限ったことではないが、商店主はとにかく自分の店を目立たせようとする」とのことです。

温泉地でバラバラに個性を主張する看板は、地域全体の景観づくりにおいては、その雰囲気を壊してしまうものでした。

当時、看板は温泉街の外の国道442号線にもあり、約20メートルおきに看板が乱立していたそうです。

これらの看板をすべて撤去し、木製の統一したデザインによる共同看板を設置したことから、黒川温泉は変わっていきます。

たしかに雑木林のある自然景観の中に、野立て看板が乱立していたら、景観の魅力が台無しになってしまいますね。

なので、このような場合は、看板を撤去することが地域活性化・まちおこしにつながります。

しかしながら、普通の看板屋さんは看板を作ることしか仕事にできないので、看板を撤去して景観をコントロールするといった発想がありません。

興和サインの視点は違います。

モノ作りを大切にしていますが、同時に、作りすぎないという視点も重視しています。足し算の発想だけでなく引き算の発想も重要だと認識しています。

つまり、仕組みをつくることに力点を置いて、看板広告業を営んでいるのです。

なぜ、そのようなことができるのか?

現在、興和サインはファブレス化を進めています。

自社の生産設備にとらわれて、作るものが固定化することを避けているのです。

それは言い換えると、大量生産・大量消費型生産体制からの脱却です。

できるだけ景観を壊す看板は作りたくないとの考えもあります。

2004年の景観法の成立以後、屋外広告物法も“良好な景観”という概念が加わり、社会的にも売り込み情報満載の看板は嫌われる時代になりました。

グーグルのエリック・シュミット会長が言っていた印象的な言葉があります。

「人類の夜明けから2003年までに生み出された情報量を、現代社会は1日で生み出している」

これってすごいことですよね。

世の中の情報量が多過ぎる時代でもあります。

そんな背景があって、看板によってお店の売り込みをしても共感されない時代なのです。

ここまで伝わってますでしょうか?

看板を規制する方向でまちづくりを進めるところがある一方で、看板を積極的に活用しながらまちおこしを実施して、観光資源化しているところもあります。

ボクが仕掛人として動いた「野方のジョークのプロジェクト」や、SNSなどでも大きな反響があった「八戸のうわさ」、大阪・文の里の「商店街ポスター展」などが、これからの時代の、看板による地域活性化・観光資源化の好例といえるでしょう。

参加者のみなさんはこのときの考え方をもとに、それぞれお店の売り込みとはまったく関係のないジョークの張り紙を作り、53箇所の店舗等に掲出しました。

商店街を歩いているとあちこちで張り紙を見かけるので、張り紙を探しながら歩き回るのは楽しかったです。

クスッと笑っちゃうようなもの、タイムリーなネタを取り入れたもの、シュールな表現などジョークの質はさまざまでした。

  • 野方のジョークのプロジェクト
  • 野方のジョークのプロジェクト
NPO法人ストリートデザイン研究機構で高橋芳文が「野方のジョークのプロジェクト」のワークショップをファシリテーション。
  • 野方のジョークのプロジェクト
    「野方のジョークのプロジェクト」のファシリテーター・高橋芳文と、商店街に掲出されたジョークの張り紙。
  • 野方のジョークのプロジェクト
    こちらのジョークの張り紙は、今回のプロジェクトを積極的に進めてくれた野方商店街振興組合・会長の榎本雅則さんのお店に掲出されたもの。

結果的に、「東京新聞」「ヤフーニュース」をはじめ、複数の紙媒体、ネット媒体で取り上げられ、商店街からも好評で大成功を収めました。

成功の理由は、お店の売り込みではなかったことと、商店街全体を巻き込んだ展開で地域活性化になったからです。

海外に目を向けると、看板をうまく活用している事例として、香港が挙げられます。

香港といえば、カオス状態に林立した袖看板のある風景が有名です。

これらの看板の下を、オープントップバスで巡るツアーが外国人観光客に人気を博しています。まさに、看板を観光資源化しているのです。

  • 香港
  • 香港
香港では、林立する袖看板の真下をオープントップバスで巡るツアーが観光客に人気。

看板とは、いうなれば“都市を演出する舞台装置”であり、世相を映すものです。

高度経済成長期の頃は、きらびやかなネオン塔が都市の象徴でした。

当時は派手に宣伝することは良いことだという風潮がありました。でも現在の成熟社会では残念ながら、大きく目立ち派手に売り込むような形で宣伝することが良いことだという風潮が消えつつあります。

ボクのマーケティングの師匠である藤村正宏氏は、今の社会を“つながりの経済の時代”と言っています。

マス広告の力が衰え、横のつながりで経済が動く時代なのです。
だから“地域”や“面”でもって、売り込みではない看板を作って活用するべきなのです。

今の時代、売り込みではなく見ていて“面白い”“楽しい”と感じられる看板は、スマホで写真を撮られてネット上で拡散していきます。

かつては、

「銀座にある森永の地球儀ネオンってきれいだね」

とか言われることが企業にとってのステータスでした。

今は、

「面白い看板見つけたよ!」

とフェイスブックやツイッターに投稿されて拡散していくことがステータスと言えるでしょう。

興和サインでは看板のあり方をこのようにとらえ、都市部や商店街において看板を“個”ではなくて“地域”で活用し、まちおこしの仕組みをプロデュースするメニューをご用意しています。

またこれからの時代は、外国人向けインバウンドが非常に重要です。

地域を挙げて英語や中国語表記の看板を作ることで、観光客を呼び込むことにつなげられるでしょう。

その際にも、長年に渡って看板業のノウハウを蓄積してきた当社の知見で、ご協力させていただきます。

高橋芳文のまちおこし・景観等に関する取り組みの実績

【学会発表等】

  • コンテンツツーリズム学会発表(2013年11月8日)
    「中野における物見遊山の考察〜ローカルチャーを中心に」
  • 日本マーケティング学会オーラルセッション発表(2013年11月10日)
    「都市景観の空間イメージ形成を補う屋外広告物の広告的役割についての考察」
  • 関東都市学会研究例会発表(2014年3月15日)
    「香港の都市景観における看板の現状と課題」
  • 関東都市学会春季大会発表(2014年6月7日)
    「東京の広告景観の考察-盛り場を対象に」
  • 日本都市学会第61回大会発表(2014年10月26日)
    「京都市中心市街地の屋外広告物の現状と課題」
  • AIC2015TOKYO・色彩の国際学会(2015年5月19日~22日)
    Research on the Coexistence of Color between Buildings and Exterior Advertising that Create a Cityscape ~ focusing on the Okamoto district of Kobe
    都市景観における建物の色彩と屋外広告物の色彩の共存の研究~神戸市岡本地区の事例に着目して

【委員、講演実績等】

駒ヶ根市景観講演会講師、さいたま市屋外広告物講習会講師、川越市屋外広告物講習会講師、横浜サインフォーラム「サインによるまちの活力・賑わいの創出」パネリスト、商業界看板大賞審査委員、渋谷駅前エリアマネジメント協議会広告物自主審査会自主審査委員、(公社)東京屋外広告協会広告物振興委員、(公社)日本サインデザイン協会の新宿区屋外広告物の景観誘導に関する支援業務組織委員会委員、都市環境デザイン会議「屋外広告物による都市ブランド形成を考える~京都市中心市街地を対象として」屋外広告物プロジェクトチーム共同代表などを歴任。

【学歴】

法政大学大学院 政策創造研究科博士後期課程満期退学

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