お客様に聞く – 大衆酒場 かぶら屋

大衆酒場 かぶら屋

現在、都内を中心に23の店舗を構える大衆酒場「かぶら屋」。店舗に掲げる看板は、一枚一枚がすべて「手書き」。どのような思いでこの看板を作ったのか、興和サインへ依頼した経緯とともに、(株)フードゲート代表取締役社長の内山九十九氏にお話を伺った。

大衆酒場 かぶら屋

― かぶら屋さんはどんなお店ですか。

来てくださった方に「おいしいね。」といってもらう、喜んでもらう、そして自分も嬉しい。人と人とが触れ合い、皆が笑顔になる。居酒屋はそういう場所であるべき、というところからスタートしたのが、かぶら屋です。

― 具体的にはどのようなこだわりがあるのでしょうか。

毎日新鮮なうちに届けられるモツを使った、「手作りやきとん」です。スタッフが毎朝、ひとつひとつ丁寧に串に刺し、仕込みをおこなっています。「自信のある、美味しいものを作ったから、ちょっとウチに食べにおいでよ!」という気持ちで、やきとんは全て1本80円でお客様にお出ししています。「毎日でも食べたくなる味」「日常」という点にもこだわって、日々研究を重ねております。

大衆酒場 かぶら屋

「ブランド化」と「本物感」

― 看板を作ろうと思ったきっかけを教えてください。

6店舗目である大久保店の売り上げが思うようにあがらなかったことから、なにかを変えなくては、と思いました。それがきっかけです。
当初、店舗を作ったときは、小さなロゴがついているだけで、目立つような看板は出していませんでした。「こんなところにお店がある!」と気づいて来てくださったお客様を、一生懸命楽しませる。そのことがお客様にとって、より感動があるのではないかという、口コミによってどんどん増やしていくという考え方でした。でも、それでは入ってみないとわからない、何のお店なのかすぐにわからない。結果的に、認知されるまでにはちょっと時間がかかる。「発見する楽しさ」を優先するやり方は、少ない店舗数であれば効果があると思います。
チェーン店として展開していく上で、「かぶら屋」が皆さまの目にとまる機会が増えてきたため、ブランド化、そして本物感を表現するような看板が必要になってくると考えました。

― 「本物感」とはどういうものですか。

かぶら屋を、一般的にありがちなチェーン店のスタイルにはしたくありませんでした。
スタッフ一人ひとりが、早朝から、心をこめて一生懸命に仕事をしています。また、かぶら屋はフランチャイズとして展開しています。直営店で働いている単なる社員、ではなく、弊社は「独立したい。」という真剣な思いを持ったスタッフが集まって、店舗を盛り上げています。そのため、一人でも、この看板を汚すような人がいれば、皆に迷惑がかかってしまう。それぞれがこの看板とともに歩いていることを認識して欲しいと思いました。
この仕事への思いを表現するために「本物感」が大事であると考えました。

こだわりの看板作り

― 興和サインとの出会いを教えてください。

インターネットから「看板」で検索をしました。何社か検討し、その中で実際に2,3社の方とお話もしました。「本物感」を出すために「手書き」にしたい、そんな自分たちの思いを表現する看板を製作してくれる会社になかなか出会えずにいました。
興和サインにお願いをしたところ、社長の高橋さん自らがすぐに営業に来てくださいました。看板にはさまざまな仕掛けがあるということ、看板がいかに大事かというお話を聞きました。ホームページからもにじみ出てくる通り、高橋さんの面白い考え方に共感しお任せしてみようと思いました。

― どのように要望を伝えたのですか。

2世代、3世代と続くような店舗を作っていきたい、その時に浮かんだのが「木」という素材でした。長い年月をかけて味の出てくる看板、なおかつはっきり見える、木材を使ったわかりやすい看板にしたいと思いました。そして、とにかく「シンプル」に、「手書き」で。自分たちはそこにこだわりがあるからということを伝えました。費用の面から、ステッカーのように、文字を切って貼って…あるいは、直接、木に文字を彫っていく方法もあったのですが、「手書き」という部分にこだわりました。

大衆酒場 かぶら屋

木枠はこんな工程で作っています!

大衆酒場 かぶら屋

木枠の合わせがキッチリと90度になるよう、正確にセッティングを行います。
(興和サイン製作部工場長・木村)

大衆酒場 かぶら屋

丁寧にやすりがけをして、表面をなめらかにします。
(興和サイン製作部・笠原)

大衆酒場 かぶら屋

つなぎ目を美しく仕上げることで「本物感」が漂う。

興和サイン製作部のコメント
とにかく「丁寧に、見栄えのよいものを」ということを第一に考えて木枠を製作しました。
木枠は、角材をカットし、組み合わせています。その際にできる合わせ目のスキマを、穴埋め材で丁寧に埋めることで、見栄えのある一枚ものの看板となります。かぶら屋の軒上は、お客様の目線に近いため、細かい部分をきれいに仕上げることが大事です。手書きの看板は、製作するにあたり、手間も時間もかかります。その分、重みがあり味のある看板になりますね。

― 文字について教えてください。

字体選びは本当に時間がかかりました。あらゆる手書きの字体を見せていただき、本気になって一緒に選んでくれました。その結果、クセのない、飽きのこないイメージ通りの字体と出会うことができたので嬉しかったですね。
文字の色は黒と決めていました。と、同時にどこかに赤を入れたいと思っていました。どんな店なのか、一目ですぐお客様にわかるように、「大衆酒場」という箇所を赤にしました。
商品の書かれた木札も一枚一枚手書きです。店舗によっては、お客様の手に触れる位置に掲げます。ステッカーだと剥がれてしまう恐れがありますが、手書きですから、その心配はありません。これは新しく店舗を施工する際に出た木材を大事にとっておき、カットしてもらったものに書いてもらっています。

大衆酒場 かぶら屋

工場長・木村が一文字一文字集中して、手書き。
その真剣さに周りの空気が張り詰めるほど。

― 完成した看板を見たときは、どんなお気持ちでしたか。

ちゃんとした看板がようやくついた、と感じました。自分たちの思いを反映している看板ができて、とても嬉しかったですね。

― 施工時の対応はいかがでしたか。

工場長の木村さんが、一店舗一店舗、取り付けに来てくれます。掲げる位置によって見え方も印象も違うからと、毎回、真剣に微調整をしてくれます。看板はずっとそこにあるものになっていくわけですから、そういった仕事に対する姿勢にとても信頼感が持てます。こちらからの細かいお願いに対して、いつもニコニコして気持ちよく仕事をしてくれる、すぐに動いてくれるので満足しています。本当に助かります。木村さんは、頼れる親方、みたいな感じで、店舗のスタッフにもとても人気があるんですよ。

チラシを配らなくてもお客様が来てくれるように

― 施工時の対応はいかがでしたか。

確実に売り上げの数字が上がった、ということがすべてを物語っていると思います。また、インターネットで「かぶら屋」を検索してくださる数字も、目にみえて増えました。以前は新しく店舗をオープンするたびに、チラシを配る等の販促活動をしていたのですが、今は一切その必要がなくなった、ということも大きいです。オープンの日になるとお客様がどーんと集まってくださるようになりました。
お客様からのかぶら屋に対する「信用」が、目に見える形で結果となってあらわれていることを感じます。

今後も、良き事業パートナーとして

― 興和サインへ一言お願いします。

最初の印象が本当に良かったです、そういうところも大事だと思いました。
自分たちの想いを外に向けて表現するツールとして看板があり、その想いをキチンと伝えてくれる興和サインの存在は、とてもありがたいと思いました。想いに共感いただき、少ないお取引金額ながらも、都度、細かな対応をいただいています。納期に関しても完璧で、大変助かっています。当初は1店舗だけの依頼でしたが、今はすべて興和サインにお願いをしています。今後も一緒になって事業をやっていきたいですね。高橋社長からもいろいろ教えていただきながら、お互いに成長できるような関係でありたいと思っています。

内山様、本日はお忙しい中、
貴重なお話をありがとうございました。

 
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