今回からこのブログでは、おおよそ10回くらいにわたりサイン製作の基本的なことについて解説していきたいと思います。
初回は、「カッティングシートとインクジェット出力の違い」についてです。
とても細かい話になりますが「カッティングシート」とは、株式会社中川ケミカルというメーカーの商品名です。一般名称は“マーキングフィルム”なのですが、塩化ビニールの色付きシールのことは「カッティングシート」と呼ばれることが多いです。
なぜ、“マーキングフィルム”全般が「カッティングシート」と呼ばれることが多いのかというと、理由は定かではありませんが、今から20~30年くらい前でしょうか、多くの文房具屋さんでは、中川ケミカルの「カッティングシート」を切り売りしていたのです。
これによって「カッティングシート」が“マーキングフィルム”の代名詞的な商品と認識されて“マーキングフィルム”を「カッティングシート」と呼ぶことが定着したとの説があります。
“マーキングフィルム”は、中川ケミカルの他に、
トーヨーケムの「ダイナカルシート」
スリーエムジャパンの「スコッチカル」
桜井の「ビューカル」
リンテックサインシステムの「タックペイント」
などがあります。
“インクジェットシート”とは、大判のインクジェットプリンターでプリントした塩ビタックのシートのことです。
塩ビタックとは、塩ビ製のシートの裏面が粘着シールになっているシートです。
インクの種類は溶剤インク、UVインク、ラテックスインクなどがありますが、塩ビタックに印刷するのは溶剤インクが主流です。
カッティングシート(正しくはマーキングフィルムですが、便宜上カッティングシートとします)とインクジェット出力の主な長所は、それぞれ以下の通りです。
- カッティングシート
もともと色が付いているシートなので、事前にサンプルで色を確認すれば確実に色を再現できる。
屋外耐候性に優れる(モノにもよりますが5~7年くらい)
- インクジェットシート
色のグラデーション表現が可能。
色数が多くても料金が同一。
これらを考慮しながら、私達はお客様からの問い合わせに対して、「カッティングシート」と「インクジェットシート」を使い分けてご提案しています。