お客様に聞く – メンズと婦人の理容室 ダンシャク

メンズと婦人の理容室 ダンシャク

JR中央線「荻窪」駅から歩いて約10分、バス通りに面した場所に「メンズと婦人の理容室 ダンシャク」があります。理髪店を開業されたのは、なんと昭和9年! 現在に至るまで約80年もの長い歴史と実績のあるお店が、看板を新しくすることを決意しました。その経緯とご商売に対する思い、今後への期待をダンシャクの店主長谷川衛さん(以下:マスター)とスタッフの水上かおるさんに伺いました。

メンズと婦人の理容室 ダンシャク

■メンズと婦人の理容室ダンシャクについて

― メンズと婦人の理容室 ダンシャク とはどんなお店ですか。

(マスター)当店は荻窪に店を構えて約80年になります。父親の代に開業して、私が継いで2代目。地域のお客様が来店していて、年齢層は私と同じくらいの50代~60代のお馴染のお客様が多いですね。親子3代で来て下さる方もいらっしゃいます。

現在は、スタッフの水上に数年ぶりに復帰してもらい、二人で営業しています。

― 数年ぶりに復帰というのは、以前働かれていらっしゃったんですか。

(水上さん)はい。私が19歳のときに理容師を目指して上京してから、5年間同じ店舗で働き、それから支店の店長を任せていただいて32歳までお世話になっていたんですよ。結婚を期に一度退職したのですが、それからもご縁があって、また一緒に働くことができました。

現在は以前から持っていた“理容”のテクニックと、新しく習得したフェイシャルエステの“美容”のテクニックでお店に立っています。

― お店の内装が新しく、白とブラウンで統一されていてオシャレですよね。

(マスター)5年前に、一度リフォームしています。

(水上さん)マスターが、「引退が近付いているからその前にリフォームして、いままでのお客様に恩返ししたい」と、感謝の気持ちから工事しているんです。きれいなお店で髪を切ってもらうのって嬉しいですからね。

その上、1席ずつ半個室になっていてパーテーションで目隠しもするので、エステのお客さんも落ち着いた雰囲気で施術が受けられます。

― マスターは引退を考えていらっしゃったんですか。

(マスター)すぐに…、というわけではありませんが、この先20年も30年もお店に立てるわけではありませんから。

「床屋」という商売は、われわれ理容師の年齢とともに客層も上がってくる商売なんですよ。なので、彼女(水上さん)に来てもらって、もうひと踏ん張り頑張ると同時に、女性客も取り込んだ新しい客層の確保や、なかなか家から出かけにくくなっている方々に向けた出張カットを始めようと考えたんです。

今回、新しい看板を作った理由の一つですね。

  • メンズと婦人の理容室 ダンシャク
  • 優しい笑顔が印象的なマスター・長谷川衛さん。興和サイン代表・高橋も絶賛するテクニックの持ち主です。さすがその道50年!
  • メンズと婦人の理容室 ダンシャク
  • 女性向けのお肌のお手入れを始めた水上さん。顔色が明るくなり、化粧乗りも良くなると評判です。お顔の産毛剃りができるのは、理髪店ならでは。
  • メンズと婦人の理容室 ダンシャク
  • ダンシャクさんでは半個室の落ち着いた空間で施術が受けられます。
  • メンズと婦人の理容室 ダンシャク
  • ディレクターの潮田とともに、和やかな雰囲気でインタビューは進んで行きました。
■看板を変えようと思ったきっかけについて

― 興和サインの社長・高橋の理髪店向けの集客セミナーにご参加されたそうですが、どのような印象でしたか。

(水上さん)ちょうど、広告の仕方を模索している時期でした。

興和サインの高橋社長の考える看板は、「インパクトがあって他社とは違う看板だな」という印象。看板を含めてお店作りのことが聞けてためになりました。

具体的には、お店の外に置いたベンチや、観葉植物、あとは自転車の空気入れなどを置くとお店のイメージアップにつながるというデータ検証のことですね。実際に使う人がいても、いなくてもお店にとってプラスのことになりますから、セミナーの後にすぐ取り入れました。

あとは、お店の外に出している「A看板」の書き方も分からなかったので、勉強を兼ねて行きました。

(マスター)私は、高橋社長の本を読んでみて共感できる部分がたくさんあったから、ご本人にお会いしてみたくなってセミナーに出席たんです。 中でも、その著書の中にお店の「導入期、成長期、成熟期、衰退期」についての内容に感銘を受けました。

引退を考えていたこともあってこの店を「衰退期」と決めつけていたのですが、本を読んでみて発想が転換したんです。

うちは衰退期ではないんですよ。 

彼女(水口さん)が来てくれたおかげで、「導入期」なんですよ。これからは、彼女を中心に女性をターゲットにしたメニューも取り入れて営業スタイルを改善していきます。

その気づきがあったために、看板を作りかえる決意ができました。

― 興和サインに依頼した決め手はどのような点ですか。

(マスター)本屋に行くと最新の経済の動向が分かるのと同じように、先ほど水上が話していたデータ検証などの新しい情報を取り入れた広告の考え方が新鮮でした。実際に興和さんで作った看板を見に行くこともしました。私たちの想いを分かった上で、「斬新なデザインをしてくれる」という期待感が決め手でした。

  • メンズと婦人の理容室 ダンシャク
  • 写真左下が「A看板」。セミナーで書き方を教えてもらって取り入れました。新規の女性客が来店し、リピーターにつながっているそうです。
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  • セミナー後、すぐに取り入れたお店の前のベンチとグリーン。他にも自転車の空気入れが置かれ、お店から地域の人に向けた優しさが感じられます。
■看板制作時のやり取りについて

― 看板に対するこだわりはございましたか。

(マスター)技術には自信があるんだけど、表には出したくないんですよね。

技術だけに期待をして来てもらうよりも、そこそこの床屋だろうと敷居を低くして「あー、良かったなー」って満足して帰ってほしいのが本望。もちろん自信はあるんだけど、職人上がりの経営者だから「うちはうまいです」とは書きたくなかったですね。

技術以外にも会話やお店の雰囲気を楽しんでもらいたいですからね。

(水上さん)でも、宣伝しなくちゃいけないし、お客さんに来てもらわなくちゃいけないし、来たお客さんにはリピートしてもらいたいし。

(マスター)そうなんだよ! だから看板屋さんのアイデアが欲しかったんです。

― 看板制作時のやり取りはいかがでしたか。

(マスター)正直話すと、何回もやり取りがあったんだけど、担当ディレクターさんが頑張ってくれたのが偉かったと思いますよ。はじめにオーダーしてから完成するまでに4カ月!

(水上さん)はじめは地域性を考えたり、お客様層を考えたり、内装と合ったイメージのものを持ってきてくれました。

でも、興和さんにお願いしたからには斬新なものや床屋のイメージを崩すものを求めていたんです。

床屋っていうとどうしても男性的なイメージが強いんですが、これからは女性客も積極的に取り込みたいですし。その私たちの新しいチャレンジとプロから見た提案がマッチするまでに時間がかかっちゃったのかなぁ、と思います。でも、最終的にはお店に入りやすい印象のもので良かったです。

(マスター)まさか、似顔絵を持ってきてくれるとはいい意味で予想外でしたからねぇ。

― 看板のおすすめポイントを教えてください。

(マスター)またまた正直言うとね、似顔絵を見てはじめは「ん~?」と唸っていたんだけど、最終的には決めました。「ん~?」って言うのは、デザインが悪いんじゃなくて、恥ずかしいっていう内面的なものだったんですけどね。だけど、よく考えたら似顔絵を使っている理髪店はないし、話題性もあってこの地域にうけると思ったんだよね。

あと少し経てば、「似顔絵の床屋」って言ってもらえる日が来るからね、必ず。

それに、似顔絵の吹き出しも良かったと思います。料金表を入れてもくどいし、うちのお店のカラーじゃないから、今ではお店の売りになるものや我々の雰囲気が伝わるものを書き込んでいます。

(水上さん)似顔絵の発想は全くなかったので、すごく斬新で気に入っています。

― 看板の反響はありましたか。

(マスター)いまのところ新しい看板を見ての来客はないけど、お馴染の顧客さんからは「似てるねー」と言われます。

先ほど話したセミナーで教えてもらった「A看板」を見て来店されたエステのお客さんは、リピートしてくれていますね。それと、側面のハサミのマークがついた看板は、車に乗っている人から良く見える。

これも良かったと思いますよ。 理髪店っていうのは現状だと男性のお客さんがメインだから、どうしても反響は遅いんですよ。

今度入ってみようかなと5~6回思ってから、やっと重い腰を上げて来るからね。

■担当ディレクターから看板の説明です!

ダンシャクさんでは、店舗の前を通り過ぎる人に向けた店舗正面の看板と、車や自転車で通る人に向けた側面の看板を制作しました。

正面の看板について

メンズと婦人の理容室 ダンシャク

・ポイント1 「似顔絵」
似顔絵を大きく取り入れたことで、マスターと水上さんの人柄をアピールしました。

・ポイント2 「書き換えできる吹き出し」
理髪店さんは髪やお肌に触れるご商売ですので、どんな人がやっているのか気にする方も多いです。 看板でコミュニケーションをとれるように工夫しました。

・ポイント3 「レイアウト」
水上さんをメインにした営業体制を考えていらっしゃったので、マスターよりも水上さんがアイキャッチになるようなレイアウトを考えました。

側面看板について

メンズと婦人の理容室 ダンシャク・ポイント1「場所」
何回も周辺を歩いて調査をしましたが、バス通りからの視線が集まるのは側面だったんです。
なのでメニュー表などは側面に書きました。

・ポイント2「はさみ」
看板の一番上には大きなはさみが描かれています。
比較的まっすぐな道に面している立地ですので、見通しが良く、遠くからでも「理髪店」というのが分かります。

・ポイント3「デザイン」
一番、お客様とのやり取りが多かったのが「色と形」のデザインについてでした。
地域性や売り出したいエステ、お客様層を考えた分かりやすい看板をご提案していましたが、「華やかで来てくれた人が楽しくなるような看板」という想いを感じ取れたときに、 遊び心のある看板の提案ができました。
理髪店さんでありながら、エレガントさを感じる形状や色合いなど、女性客をターゲットにした内容にもこだわりました。

■興和サインへの今後の期待

― 担当について、対応はいかがでしたか。

(水上さん)何回も来て下さって、長くお付き合いができて良かったです。人間性も良かったです。

(マスター)穏やかだし、笑顔がいい。度量の広さも感じました。こちらの話をきちんと聞いてくれたのが良かったです。

― 今後期待することがあれば教えてください。

(マスター)そうだね、デザインについてはデザイナーさんを連れてきてもらって、話を聞けたら勉強になると思いました。実際にうちのお店を見てもらって感じることがあると思いますから。

(水上さん)私もマスターと同じく、デザイナーさんとも話してみたかったですね。そして、これからも高橋社長にお店作りを応援していただきたいです。

長谷川様、水上様、お忙しい中貴重なお話を有り難うございました。

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