お客様に聞く – エパックラーニングセンター

エパックラーニングセンター

エパックラーニングセンター千葉県浦安市のゴルフスクールを併設したインドアゴルフ練習場「エパックラーニングセンター」は、興和サインに巨大なゴルフボールの看板制作を依頼した。その理由と看板効果について、プロゴルファーでもあるオーナー菅野氏に詳しく伺った。

エパックラーニングセンターの業態

― エパックラーニングセンター(以下EPAC)の業態について教えてください。

EAPCは、浦安市にあるゴルフスクールを併設したインドアゴルフ練習場です。3階建ての建物にはスイング分析マシンを完備したスクール用打席と一般打席合わせて18打席、そしてゴルフショップ「エトルリア」、託児ルームもあります。

私はもともとジュニアゴルフ出身ということもあり、ジュニアの育成に力を入れています。EPACは「家族みんなでゴルフを」が基本理念で、スクール生はジュニア層を中心に3歳から92歳と幅広いのが特長です。

近所で運営していた同じ形態の練習場からの移転の形で2007年の11月にEPACをオープンしました。まだオープン3ヶ月ですが、スクール生300名、練習場の会員数は450名と順調に増えています。

菅野有子(すがのゆうこ)氏
菅野有子(すがのゆうこ)氏LPGAツアープレイヤー、ティーチングプロA級。
10歳からゴルフをはじめ、高校時代全日本ジュニアに出場、82年関東学生3位。 大学卒業後プロとしてトーナメントに5年間出場、88年JUNONオープン10位をはじめ活躍。その後結婚し出産、1999年エパックジュニアゴルフスクール開校。テレビ東京ラウンドリポーターや 全英オープン解説などをこなす。 現在はエパックラーニングセンターの経営の傍ら、麗澤中学高等学校コーチ、浦安市ジュニアゴルフ協会会長をつとめる。著書にオリジナル開発プログラム「スイング体操」をまとめた「3歳からの『体感』ミラクルドリル」(凸版印刷)がある。

興和サインに巨大ゴルフボールの看板制作を依頼

― 興和サインにどのような看板を依頼しましたか。

EAPCは、浦安市にあるゴルフスクールを併設したインドアゴルフ練習場です。3階建ての建物にはスイング分析マシンを完備したスクール用打席と一般打席合わせて18打席、そしてゴルフショップ「エトルリア」、託児ルームもあります。

興和サインには、高さ3メートル90センチのゴルフボールの形をした立体看板を制作していただきました。赤いティーの上に載った本物そっくりのゴルフボールで、EPACのロゴマークがついています。EAPCがオープンして約1ヶ月半後の2007年12月末に完成しました。

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なぜ巨大ゴルフボールの看板を作ろうと思ったか

― それまでは、どのような看板だったのですか。

オープンしたばかりの時には黒地にEPACの名前を書いたポール看板を設置していました。移転前からの固定のお客様がおり、オープン当初はさほど看板が重要とは思っていませんでした。

― では、なぜこのような目をひく看板を作ろうと思われたのですか。

EPACは国道沿い(246号線)で車でのアクセスが便利で、ゴルフ施設としては悪くない立地です。しかし、実際に営業が始まると、以下のような不利な条件を感じるようになりました。

  1. 左が家電量販店、右がファミリーレストラン。両方ともカラフルで大きな看板を掲げているため、EPACの看板が目立たない。
  2. EPACの敷地は間口が狭く奥に長い。間口の広い両端の店舗に形状的にも埋もれてしまう。
  3. 古代イタリアをイメージしたヨーロッパ調の外観はお洒落な感じで目をひくが、一見して「何屋さん」かわからない。少なくともゴルフ練習場に見てくれる人がいない。

このため、より多くの方に利用していただくためには、「ここにゴルフスクール、ゴルフ練習場があります」と業種業態を認知してもらいやすい看板を設置する必要がありました。

巨大ゴルフボール看板の完成まで

― 興和サインをどのようにして知ったのですか。

インターネット検索です。看板屋さんのサイトを次々見ていくと、見覚えのある写真が施工例として出ているページがありました。千葉で有名なお菓子屋さんの屋根の上にある、「女の子と猫」のオブジェです。近所なのでいつも目にしていたためそのサイトに親しみを持ち、問い合わせをしてみました。それが興和サインです。

― それからどうしましたか。

社長の高橋さんが浦安まで打ち合わせに来てくれました。
EPACの状況と目的、そしてだいたいのイメージをお話すると、高橋さんはその場で、「ではゴルフボールを立体で作ってみてはどうでしょう」とアイデアを出してくれました。

私自身は特に立体的な看板を、という希望があったわけではありませんでしたが、確かに実物そっくりのゴルフボールだったらインパクトがあるし、遠くからでも一目でゴルフ施設だとわかります。直感的にいいと思いました。

その後、実際に看板を設置した状態のイメージ画像を送ってくれました。ティーの色が赤のパターンと、木目調の茶色のパターンの2種類です。色鮮やかな赤のほうが看板向きだと思いました。

最後に確認しなければなならなかったことは、設置予定場所の生け垣には貯水槽があり、その上に構造物が設置できるかということでした。これはEPAC側の設計士と興和サインで打ち合わせを行っていただき、設置OKということで発注しました。2007年11月末のことです。

発注から1ヶ月で完成

― 看板制作に要した時間はどれぐらいでしたか。

発注したのが11月末、工事が完了したのが12月末ですから、約一ヶ月です。
工事そのものは1日半ですみました。基礎工事に1日、そして設置工事の半日です。興和サインの作業員の方は、みんな仕事が早く、思ったよりも時間はかかりませんでした。

巨大ゴルフボール看板の効果

― 立体看板にして、どのような効果がありましたか。

まず、ゴルフ練習場への来場者が増えました。
看板が完成したのが2007年も押し迫った12月27日。それからすぐに年末の休みに入りましたので、「ゴルフボール看板のあるEPAC」の実質スタートは2008年1月1日からです。

EAPCの来場者は、通常はスクール生も合わせて70人~80人ほどですが、正月3が日では、スクールがお休み、かつ営業時間も通常より短かったにも関わらず、3日間で約300人ありました。ひっきりなしに人が来ていたという感じです。お正月だからということを差し引いてもこれには正直驚きました。

また、地元への認知度がぐんと上がりました。
私の自宅はEPACの近くにあり、タクシーで通っていますが、ゴルフボール看板にしてから、「やなぎ通り(国道246号線)のゴルフボールのところ」と言うと、「ああ、あそこね」と運転手さんが言ってくれるようになりました。

また、やはりタクシーでEPACの前を通り過ぎるときに、とぼけて、「あそこって何やってるとこですかね?」と聞くと、運転手さんが「ゴルフショップじゃないですか」と言ってくれるようになりました。ゴルフスクールと練習場であるという認知の徹底はまだこれからですが、「ゴルフの何か」であると思われるようになったことは大きな進歩です。

今後は街の人たちの間で「あのゴルフボールのところで待ち合わせね」というような会話がされるような、ランドマーク的な存在になってくれればと思っています。

子供たちにも好評

― スクール生の評判はどうですか。

子供たちにも評判がいいですね。
看板を指さし、「いつかあのボールを打ってみたい」などと言う子もいます。EPACは子供中心のスクールなので、子供にゴルフへの興味を持ってもらう意味でもこの看板は効果があります。また、逆に、生徒が言うことをなかなかきかない時には、冗談めかして「あのボールが落ちてくるよ」と言ったりしています。

ディンプルの細部まで再現

― この看板の気に入っているところを教えてください。

精密なところです。特にディンプル(ゴルフボールの窪みの部分)ですね。 ディンプルは、ボールの空気抵抗を抑えるための穴で、同じような穴が並んでいるように見えますが、配列が一部5角形であったり、穴の大きさが違ったりとよく見ると複雑なものです。

でもこの巨大ゴルフボールは、ディンプルの配置、深さ、質感など、本物をそのまま大きくしてあって、プロゴルファーの私から見てもとてもよくできていると思います。また、ボールの大きさとティーの長さのバランスもちょうどよいと思います。

これがもしディンプルが粗かったり、ティーの長さのバランスが悪かったりすると、とたんに安っぽくなると思います。大きいだけに安っぽいと悪(わる)目立ちして逆効果です。この仕上がりには、とても満足しています。

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立体看板は平面看板に比べてどこが優れているか

― ここからは、立体看板と平面看板では、効果にどんな違いがあるのか比較してみたいと思います。まず、実際に立体看板を作ってみた菅野さんにとって、立体看板の効果とは何でしょうか。

立体看板の効果については、今3つのことが思いつきます。

  1. 平面看板より目立つこと
    世の中は圧倒的に平面の看板が多いので、立体というだけで稀少価値、目をひきます。
  2. 人の感覚に訴えられること
    平面にはない「質感」というものが立体にはあります。質感はすごく大事なことです。「触ってみたい」とか、先ほどの子供たちの感想のように「打ってみたい」とか、五感、本能に訴えてくれて、記憶に残りやすいと思います。
  3. 中身に期待を持ってもらえること
    このようなユニークな立体看板だと、「一般的な常識に縛られない、頭が柔らかくこだわりのある人たちがいるのだな」というアピールになります。建物の中の人やサービスに期待や興味を持ってもらえます。

― では、立体看板と平面看板の違いを見るために、ここでちょっと実験をしたいと思います。シミュレーションで平面の看板を作ってみました。ご感想をいただけますか。

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(上記写真を見て)これでは全くだめですね。 もし高橋さんが最初にこういう看板を提案してきたら、絶対にお願いしてません。これなら誰でもできますし、楽しさが伝わらないです。

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改めて見ると、立体の物体が人に与える影響力は大きいですね。やはり立体の看板にしてよかったと思います。

― 菅野さんは、立体看板を人にもすすめたいと思いますか。

サービス内容や商品にこだわっている、あるいは個性を大切にしていて、かつ立体看板が設置できるスペースのあるお店や施設であれば、ぜひやるべきだと思います。実際に立ててみると、投資対効果も高いと実感します。

立体看板の投資対効果

― 「投資対効果が高い」について、具体的にお聞かせください。

サービス内容や商品にこだわっている、あるいは個性を大切にしていて、かつ立体看板が設置できるスペースのあるお店や施設であれば、ぜひやるべきだと思います。実際に立ててみると、投資対効果も高いと実感します。

私はこれまでゴルフスクールを何軒かオープンさせ、主人が歯科医なのでクリニックのものを含め、看板の発注経験は何度もあります。確かに平面看板ならもっと安くできたでしょう。でも看板が持つインパクト、周囲への認知度、外観のビジュアルイメージへの大きな影響などを考えれば、立体看板はコスト以上の効果があると思います。

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EPACでは、毎月の売上げの10%を広告宣伝費にかけています。ゴルフボール看板にはイニシャルコストはかかりましたが、月々のランニングコストはほぼゼロです。さらに、雑誌広告やチラシなど他の広告媒体との相乗効果を生みます。

― 相乗効果とは、どういうことですか。

EPACのシンボルとしてゴルフボールの写真を雑誌やチラシに使うと、紙媒体の広告の中でも目立つしわかりやすいという効果があります。また、広告を見て遠くから来られる方も、大きなボールを目印にすれば迷わずに来ていただけます。

興和サインの評価

― 興和サインの看板制作について、よかったところをお聞かせください。

興和サインは立体看板をたくさん作っているだけあって、プロだな、と感じるところが多々ありました。具体的には以下のようなことです。

  1. アドバイスがよかった
    看板の高さを決めるとき、高橋さんが「高さ4メートルを超えると市役所に工作物の確認申請をしなければないので、手続きの時間もお金もかかります。ぎりぎりのところで3メートル90センチにしましょう」という提案をしてくれました。このあたりは、経験豊富でないとなかなか言えないところだと思います。
  2. 仕上げが丁寧だった
    設置の時に、「ボール部分をつり下げる輪っかを撤去してほしい」「ティーとボールの継ぎ目にコンクリートが見えている部分をふさいでほしい」などのリクエストをしましたが、どちらもすぐに、そして丁寧に対応していただきました。
  3. 仕事が早かった
    暮れも押し迫っての納品でしたが、年内に納めていただきました。おかげで年を越さずにお正月からのスタートを切れたことはとてもよかったです。

建築基準法において、高さが4mを超える広告板・広告塔等は、建築物と同様に市役所への確認申請が必要になる。この看板は、4m未満のため申請こそ不要だが、建築物と同様の過程を経て設置されたものである。

今後の期待

― 興和サインへの今後の期待があればお願いします。

地域のランドマークになるような、印象的で人の心に残る看板を作っていただいたことに、興和サイン、そして高橋さんに感謝を申し上げます。高橋さんは社長なのに、マメに動いてくださいました。

こういうオブジェのような看板がいろんなところにあれば、街がもっと楽しくなりますね。興和サインにはがんばっていただきたいと思います。今回は本当にありがとうございました。

※ 取材日時 2008年2月
※ 事例制作 カスタマワイズ

本日はお忙しい中、
貴重なお話をありがとうございました。

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